[PD治療失敗雑記その9]なくしたもの、さらに失ったもの
検査と説明でわかったこと
検査とは、血液検査、尿検査、呼吸を吸ったり吐いたりする肺の検査などさまざまな検査がありました。異常が見つかれば入院ができないからですね。
その前後に入院から退院までのカンファレンスが行われました。
まず、コロナ禍なので2週間前から朝夕に体温を測ること。
平時に薬を常用しているため、入院中もその薬が必要になるのですが、その中で血液をサラサラにする抗血栓薬も入っていました。
コレステロールの薬を飲むと血液がドロドロになりやすいので、以前から抗血栓薬を飲んでいます。
これは以前の内科担当医からの勧めでしたが、それほど強い薬ではないので内視鏡検査の時でも止めることはなかったのですが、手術するにあたって入院一週間前からその薬を停止するように説明してくれた薬剤師から言われました。
(その病院では内視鏡検査でもその薬は前日に停止させてから検査しているようです)
用紙に市販薬も含めてこれは飲んでいないかと聞かれたのですが、私は抗血栓薬のみ停止でした。
基本的に市販薬は本当に非常時のみでほとんど処方薬しか飲まないように心がけていて、これはと思ったと思ったのはバファリンでした。
「バファリンって血液サラサラにするんですか?」
「バファリンの成分は血液をあたためるように流れを良くしてそれで痛みを緩和させていく仕組みなんです。だから血液をサラサラにするとはちょっと違うんだけど、血液の流れをよくする効果があるわけだから止める必要があるんです」
頭痛持ちでバファリン常用している方は大変だろうなと思いつつ、ちょっと目から鱗な話でした。
新型コロナワクチン接種2回目の時に熱は出なかったのですが、腕が痛かったりしたのでバファリンルナを飲んでいました。バファリンルナはイブプロフェンとアセトアミノフェン混合で、バファリンの主成分であるアスピリンダイアルミネートと違うんですね。
入院前に忘れてならないのが、PCR検査でした。入院予定者全員行っているので、待ち時間は長かったのですが検査は一瞬。鼻から入れるほうの検査でしたが、毎年鼻から胃カメラ検査をしているので、特に酷く痛いとか感じなくてちょっと痛いくらいでした。唾液検査とどっちが正確な検査ができるんですかね。かかりつけ医の医院では鼻からの検査を行っているようですが。
もちろん陰性でしたが、陽性だったら入院できなかったんだなぁと。
それと造影剤付きのCT検査もありましたが、こちらは久々に行ったので検査師のかたが
「気持ち悪いところありませんか?」と言われたので、
「なんかお尻からじわじわあったかいです」と答えたら笑ってました。
だいたい同じ返事をされるようでした。
これらの検査の前に、麻酔科医からの説明がありました。
私はパニック障害で苦しんでいるので、麻酔は大丈夫かとしきりに聞かれました。
確かに今もパニック障害で苦しんでいますが、パニックを起こす条件がだいぶ絞れてきました。
乗り物、特に電車、もう一つ「橋」。
つまり、一区間止まることのない間に不安が襲うのです。
橋の場合、陸地と陸地をはさむ、かかっている距離。長ければ長いほど、高度があればあるほど不安が起こる。また夜の車のヘッドライトも目がくらくらし、車の中の人間は声をあげても助けてはくれない、という絶望感が襲ってくる。この仕組みで不安感がやってきます。
それと自宅周辺にあるもの、例えばスーパーやコンビニ、ドラッグストアでも数分いるだけで何故か不安が襲いお腹を壊します。
入院してわかったことですが、入院中は一切不安もなくパニック発作すら起きなかったのです。
4人部屋で数日で入院患者が何人も変わりましたが、不安や寂しさすらなく”一人”を満喫していたのです。
つまり、自宅から出ることが早く寛解する道ではないかと思うのですが、現状無職で厳しい道のりですし、両親は介護しろ、働け、金を作れと全振りしてきます。
兄は金はあるので、金は出すけどそれ以外の世話はやってくれ、というスタンスを取っているので、逃げ場がないのが現状です。
話が入院、手術からそれてしまいました。
まぁこれも失敗雑記なのでご容赦を。
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入院、手術
検査の前後に入院準備を行い、高額限度額適用認定証ももらってきました。
問題は手術当日に入院手続きが必要だったこと。それは渋々家族にやってくれました。
なにしろ、入院日は病院に送るだけ。術前術後の面会すら来ない。
それは父の介護が時間が空けられなかったという事情もあります。
無理して母と兄がわざわざ手続きしに来てくれただけ良かったと思いたいです。
日曜日に入院したのですが、どこに何があるかの説明もなく入院部屋に通されたので、仕方なくパジャマに着替えたり、いろいろな準備をしていました。
病院内は一応Wi-Fiは飛んでいるのですが、病室には届かなくおかげでいつもより倍以上データ容量を超えてました。
各科の受付などはWi-Fiが飛んでいるので、病院に来る患者によってはニンテンドーSwitchを遊んでいる方もいたりします。
でも病室は何故か無理だったので、待合室ではWi-Fiが飛んでいるのでそこで家族に連絡を取っていました。
入院が日曜日ということもあって、大河ドラマ観られるかな?とテレビカードを買って一応BSも見られるので夕方のを観ましたし、他に観たかった番組もゆっくり観られました。
消灯時間もあるので遅くまでは観られないので深夜アニメはほぼ全滅でしたけど、午後ロー民としては午後のロードショーを楽しみました。
翌月曜日。
9時から手術でした。前日は食事ありでしたが、手術日は何も食べられず、術後も水を含んで口をゆすぐくらい。
手術室に入ったら、まず背中に麻酔。これは術後3日分の痛み止め用です。
麻酔医の先生が懸念してましたが、パニックもなく平然と淡々と進みました。
そして全身麻酔。そこからは記憶がありませんが、どこかでラップ音楽が流れていたような気がします。執刀医(担当医の先生)の趣味だったのかな。
気が付くと、
「やまねさん、終わりましたよ」という声が聞こえたので目を開けました。
体を起こされると、目の前の時計が11時。
「え?もう終わったんですか?」
「はい、全部摘出しましたよ。あと癒着も軽かったので順調に手術できましたよ」
おむつの中でカテーテルを入れられているのはわかるけれど、違和感だけであまり痛くなかった。
私は開腹手術なので、すでに切り目のあった場所から子宮の下までだいたい13cmほど切ったようです。
腹帯を付けられていて、あとは点滴と麻酔とともに病室に戻りました。
そこからまず足に床ずれができないよう、早く足場の体力を回復させる(ためにマッサージ装置を付けられて一日その音がうるさいのと、やはり手術での麻酔が切れると痛くなり、最初は座薬、それでも痛くて結局痛み止めの注射を打ちました。
痛み止めの注射は眠りを誘う効果があるのですが、寝る前に眠剤を飲んだため副作用か逆に眠れなくなってしまい、朝電気が付くまで目がちかちかしていました。
よく眠れないまま術後一日目が過ぎ、マッサージ装置が外されました。
「計画書通り、今日から歩いてもらいます。カテーテルはしておきますか?」
「歩くことを優先したいので取ってください」
看護師がカテーテルを取るときが雑で尿道がその日の夜まで出血していました。ベッドに座っていた状態だったので横になっていればまだましだったかも。
点滴と痛み止めの袋を持って、いざ歩く。
さすがに最初はゆっくりしか歩けませんでしたが、病棟内の説明を全く受けずにいたので看護師のかたに説明を軽く受けながら歩きました。
のちに入院当日に説明があったのだと、他の患者さんと看護師が歩いているのを何人も見ていたので忘れられたんだなぁと思いました。
忘れられたといえば、風呂についても。風呂は当日予約制で病棟内で当日時間を聞いて予約を入れるシステムのようでした。ようでした、というのは、当日入れたのにその時間になると他の病棟では看護師から呼ばれていたのですが、自分はすっ飛ばされたので勝手にその時間に入りました。
事前に担当医から「患部は綺麗に洗ってくださいね」と言われてはいましたが。
そのときはじめて洗濯機の存在も知りました。その説明すらすっ飛ばされて初日は病室で閉じ込められてました(産婦人科病棟でもあったので、ナースステーションで聞いたりあまり出歩くことを良しとされない雰囲気でした)。
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