キャシーのbig C いま私にできること シーズン2 あらすじまとめと感想

去年夏NHK BSプレミアムで放送された「キャシーのbig C いま私にできること シーズン2」全13話を視聴完了したので、あらすじと感想をまとめてみました。
ネタバレがありますのでご注意ください。

シーズン2のあらすじまとめ

高校教師のキャシー・ジェイミソンは、ステージ4のメラノーマ病患者。
夫ポールと息子アダムにはがんであることを隠していたが、家の近所に住むマーリーンと関わり彼女の病と死に様を見たことで、家族の先行きを考えすべてを告白する。
ポールとアダムはキャシーの思いを受け入れ、一緒にがんと闘っていくことを誓う。
最初の治験に失敗したキャシーは、セカンドオピニオンで新たな治験を探すことに。
シャーマン医師の新たな治験を受けることになったキャシーは、同じステージ4のリーと知り合い仲良くなっていく。
キャシーは、リーの達観した思想を遠目に感じながらも尊重し、彼の元に足繁く会いに行く。
キャシーには兄ショーンがおり、統合失調症で断薬してホームレスをしていたが、キャシーの親友レベッカと恋愛関係になり、彼女の妊娠が発覚する。父親になるべく薬を飲むようになり、マーリーンがキャシーに遺した家でレベッカと一緒に暮らし始める。
アダムは、ガールフレンドのミアとなかなか一線を超えられず悶々としていた。ある日、食事用の金を使いプロの売春婦を呼ぶが、その女から金目のものを取られさらに毛じらみを移され、ミアにもフラレてしまう。
ポールは会社勤めをしていたが突如リストラされ、高額の医療費を払うために社会保険のある家電店で再出発する。
ほどなくしてポールは、同僚の外国人ミックと親しくなる。ミックは商品を密かに盗み出し、仲介料をせしめていた。それを見てしまったポールは彼に誘われ、手伝いをすることに。
ジェイミソン家には、キャシーの生徒のアンジェラを両親の都合から預かり一緒に住んでいた。
そんなアンジェラがミックと出逢う。ミックの強引なアプローチに初めは不審がっていた彼女だったが、一気に恋愛関係に発展する。
ショーンとレベッカは、意見がぶつかり合いながらも幸せな生活を送っていた。
しかし、ジェイミソン家で行われた感謝祭パーティー直後にレベッカが流産する。
後先短いキャシーの名前から取られた娘“キャシー”の葬式が盛大に行われるが、まだ生存しているキャシーが死んだと思い、学生時代の友人たちが参列に来てしまう。
傷ついたレベッカは、キャシーやショーンとの関係を整理して出て行く。
残されたショーンは、娘の死とレベッカの別れによって再び断薬して不安定になった末、行方不明になる。
キャシーたちは、ショーンの張り紙を作って行方を探す。
ミアとフラれたアダムは、がん患者家族サイトのメッセージでポッピーと知り合う。
実際に会うとどう見ても同世代ではない彼女。だが、事情を聞き次第に打ち解けて家にも遊びに来たり、ポッピーの付き添いしたりと近づいていく。
治験の効果が出てきたキャシーに対し、リーは治験が効かずマラソン大会を目標にして、日々走り続ける。
他の治験を勧めるキャシーをよそに、リーはすでに治験を止め彼女を遠ざける。
キャシーは台所の棚奥にあった缶の中に大金を見つける。ポールは金の出所を黙る。真意はともかく、その金で家族旅行をしようと決める。
ショーンの行方、リーの症状、患者をモルモットのような目線で扱われる怒り、様々な感情が入り交じる中、キャシーは旅行の準備をする。
旅行出発当日、ポールの上司から商品がなくなり犯人は誰か尋ねられる。
首謀者のミックの口から不法就労であることを知ったポールは、恋人のアンジェラにそのことを話すように諭す。
しかし、アンジェラからはミックからすぐに結婚しようと言われ、嬉しそうにウェディングドレスを作製していた。ポールは真実を話すが、アンジェラは怒って外へ飛び出していく。
ポッピーの職場へ赴いたアダムは、店長から彼女の真実を聞く。親はすでに死亡し、その死が受け入れられない故に不安定になり、職場を解雇されていた。
忘れろと周りは言う。そんなに簡単に忘れられるわけがないのに…と嘆くポッピー。
一方、キャシーの元にリーから電話がかかってくる。
彼の元へ訪れると、死ぬ間際だった。
ゲイでパートナーがいなかったリーは、キャシーを看取る者として選んだ。
旅行よりも家族よりもリーの手を選んだキャシー。
朝方、苦しみながらも静かに、そしてキャシーを軽く叩いてリーは息を引き取った。
リーが呟いた通り、翌日は晴れた。
キャシーは家に戻ると、ショーンが待っていた。ショーンは妹の状況を深く考え、一からやり直すことをする。
真実を受け入れたアンジェラが警察に通報。ポールはミックが逃亡したことを知る。
キャシーが家に戻ると、ポールが家電店を辞めたことを知る。薬物検査で陽性が出たことで、コカイン依存になったのかと不審がる。
リーの死は、『死ぬまでにやりたいことをしたい』という気持ちを強くした。
キャシーは、リーの遺志を汲むかのようにマラソン大会に出場することを決める。
申し込みが締め切られて断られたキャシーは、リーのゼッケンを付けて参加する。
彼女を止めたマウアー医師もミアから誘われていたアダムも心配して見に来ていた。
アダムはマウアー医師に、キャシーの余命が後どれぐらいか尋ねる。
一方ポールは、旅行費の払い戻しができずイライラしていた。遂には会社まで訪れる。
彼は家電店を辞め、金がない。だが、先逝くキャシーとの思い出を残すために家を売りたくなかった。
ポールは苦情を言うだけ言い、再びマラソン大会へ赴く。
アダムはミアとよりを戻せそうな雰囲気に。
力尽きかけながらも、ポール、アダム、ショーンたちの応援の中、キャシーはゴールを果たす。ポールと約束した「あなたの目の前に」ゴールしたキャシーは笑顔だった。

感想

コメディである。けれど、それ以上にヒューマンドラマである。
「死」とぶつかっていくキャシーは、何ともポジティブで失敗でも落ち込んだりしない。
もちろん落ち込むことも多いけれど、それは「がん患者」という事実を他人が色眼鏡で見るからだ。
人間は、生まれ落ちた時から死ぬことを定められている。
それが早いか遅いかの差だ、と簡単に言ってしまえばそれまでだけれど、人間には心がある。
キャシーのように強い意志で生を延ばすか、恐れをなして弱い意志で最期を待つか。
自分はどちらかというと後者かもしれない(後述)。

シーズン2ではヒュー・ダンシーが演じたリー・ファロンというキャシーと同じ病気の患者が登場する。
彼は10代でステージ1を発症し、10数年さまざまな治療・治験を繰り返し、ステージ4まで生きながらえてきた。
そこで出会ったキャシーは、先の見えた彼にとってはじめは同病相憐れむ気持ちだっただろう。
ところが、彼女と接していくうちにまぶしい存在になっていったのだったと思う。
リーは、キャシーを最期の看取る相手として選んでいる。
キャシーも彼の生き方の何かを受け止め、さらなる前に進むことをやめない。

そんな彼女も、シーズン1では家族に内緒で死ぬまでにやりたいことをやりつくすことだけ考えていた。
マーリーンの遺言を受け止めたキャシーは、これからどうしたいかと思い立ったのが、家族に告白し一緒に過ごして少しでも生を延ばすことだった。
シーズン2最終話で、キャシーの余命についてだいたい予想されている。
彼女がどうなるのかその後が見たいのだけれど、今見られるのが配信だけ。しかも字幕版のみ。
どうしてこういう買い方するかなぁ、某公共放送。「刑事フォイル」といい(それは別の話)。

自分から見たTHE BIG C

毎回涙がこぼれそうでグッと我慢していた。
それはキャシーの一挙手一投足のことではない。
マーリーンとショーンの存在だ。
キャシー以上に彼らの存在が自分にとって涙を誘った。
マーリーンの認知症とその行動、そして最期、残した手紙には嗚咽をこらえながら見ていた。
そしてショーンとは、自分の病状と少し似ているので他人とは思えない。
薬で同じ行動をしそうになるのを止めているわけで、いつもあーだーこーだー言い放つ彼をうらやましく思ったこともある。
レベッカとの子どものために薬を飲んで頑張る彼を異質に見えている母親たちにも辟易したし、レベッカと別れた後の彼の行動もわからなくもない。
どちらかというと自分は「うつ」症状が強いので、ショーンのように自由になりたい、マーリーンと同じ行動を取りたい、と思ったこともしばしば。
体内に子宮筋腫があるし、「うつ」はより改善しないし、自分の存在価値なんて必要ないと今でも思っている。
この作品はその感情を脳に深く刻んでしまった、言うなれば『見てはいけない作品』だったのかもしれない。
でもショーンはやっぱりキャシーの兄で、彼女のもとに帰ってきたし前向きな気持ちを持ってリセットする。
そこは見習いたいところだ。
ポッピーの「死を受け入れて忘れろと周りは言う。そんなに簡単に忘れられるわけがないのに」というセリフも心をえぐった。
アダムにはそこがまだ理解できていないし、準備もできていないことに気づいていないわけだから余計に痛かった。
両親を看取る準備はできていない自分は、まだまだ甘ちゃんなんだろうな。
そこまで考えさせられるこの作品は、本当にブラックでえぐい。

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